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眠れない夜の書評その2 虐殺器官

前回 この本について書いたとき、

ただ、翻訳モノかとおもうような文体で、妙なその刃物を遠くから眺めるような感触。たとえば、最初は、ジェームス・W・ブリンの「セックスとビデオと戦場」に似た感触で、翻訳モノみたいだな、と実際に思いながら読んでいたのだけれど。途中からどうやら違うことに気が付く。

と、書いたのだけれど、それがどうしてなのかわかった。

描かれるのはオルタネイティブなリアリティ、メタなリアリティ。

著者(≒主人公)は、この世界を通して、結局メタな次元の自己認知の極致にたどり着いてしまったのではないか。それがなんとなく外から眺める感じに見えたのではないか。

手塚治虫の時代には、コンピュータは人類を超え、結局人類を滅ぼした。

今のリアリティは、デバイスは進化するものの、コンピュータで人知を超えることをあきらめ、違うリアリティを求める。

なんとなく、そこにある閉塞感が、1960年代と、いまこの50年後の世界との違いなんだろうと思う。そういうことを書きたかったんじゃなかろうが、なんとなくそう思ってしまった、2周目

タイトルがちょっと刺激的かつ見たくないような描写もあるんですが、ちょっとぐっとくる本です。

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)
  • ASIN: 4150309841
  • [文庫]
  • 価格: ¥ 756
  • 早川書房

2010年9月 7日 tetsu | このエントリーを含むはてなブックマーク | Tweet this icon

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